令和3年3月31日に、対象期間に製作されたUDトラックスのクオンの計15台についてリコール届出が国土交通省に提出されました。
こちらの記事では、今回リコール届出されたUDトラックスの詳しい情報についてご紹介いたします。
UDトラックス令和3年3月31日リコール情報
令和3年3月31日にリコール届出がされたUDトラックス対象車および不具合状況と改善内容についてご説明いたします。ご自身が所有する車がリコール対象車かどうかご心配の方は、車検証をお手元にご準備のうえ照らし合わせてご確認ください。
UDトラックス(クオン)令和3年3月31日リコール届出の対象車
令和3年3月31日にリコール届出がされたUDトラックス「クオン」の対象車は以下になります。車検証に記載されてある通称名、型式、車台番号を照らし合わせてご確認ください。
車名通称名:UDトラックス クオン
型式:2PG-CD5CA
対象期間:平成29年5月18日 ~ 平成29年10月27日
車台番号:JNCMB02C0HU020539 ~ JNCMB02C0JU027951
リコール対象車台数:9台
リコールの内訳:①7台②1台③1台
型式:2PG-CD5CL
対象期間:平成29年9月5日
車台番号:JNCMB02C4HU026344
リコール対象車台数:1台
リコールの内訳:①1台
型式:2PG-CG5CA
対象期間:平成29年9月21日 ~ 平成29年10月11日
車台番号:JNCMB02G8JU026923 ~ JNCMB02G2JU027324
リコール対象車台数:4台
リコールの内訳:①3台②1台
型式:2PG-CW5AL
対象期間:平成29年10月17日
車台番号:JNCMB02D7JU027714
リコール対象車台数:1台
リコールの内訳:①1台
UDトラックス「クオン」の不具合状況と改善内容
今回リコール届出がされたUDトラックス(クオン)の不具合の部位は3か所です。
①電気装置(バッテリー電源ケーブル)
②窓ふき器(車両マスター制御ユニット)
③駆動力取出し装置(PTOリバースユニット)です。
各不具合の状況及び原因は、大型トラックにおいて
①バッテリー固定プレートの形状が不適切であったため、バッテリー端子に電源ケーブルを取り付けた際、電源ケーブルが固定プレートの端部と干渉するものがあるとわかりました。そのため、そのままの状態で使用を続けると、電源ケーブルの被膜が損傷して短絡してしまい、最悪の場合走行中にエンジンが停止し、再始動できなくなるおそれがあります。
②ワイパーの作動を制御する車両マスター制御ユニットのプログラムが不適切なため、ワイパー作動中に特定の操作を行うと、ワイパーの制御がフェイルセーフになることがあるとわかりました。そのため、ワイパーが一定時間停止してしまい、必要な視野を確保することができなくなるおそれがあります。
③駆動力取り出し装置(PTO)の組み付け作業が不適切なため、シャフト部の表面に防錆対策用テープの接着部分が残ったまま、ベルト駆動用プーリーが組み付けられたものがあるとわかりました。そのため、ベルト用駆動用プーリーの取り付けナットの締め付け力が不足し、そのままの状態で使用を続けると、取り付けナットが緩んで異音が発生し、最悪の場合駆動用プーリーが脱落して、他の交通の妨げになるおそれがあります。
各改善内容としては、
①全車両、バッテリー固定用プレートの端部に保護材を取付ます。併せて、電源ケーブルを点検し、損傷がある場合は保護材の取り付けまたは新品に交換します。
②全車両、車両マスター制御ユニットのプログラムを書き換えます。
③全車両、ベルト駆動用プーリー締結部の点検・清掃を行い、取付ナットに緩みがある場合は、PTOリバースユニット一式を新品に交換します。
社内からの情報による発見となり、不具合の発生件数は①0件②0件③0件、事故の有無は無しとなっています。
UDトラックス「クオン」とはどんな車?
今回リコールの届け出があったUDトラックスのクオンは、2004年から販売されている大型クラスのトラックです。大型トラックにおいて、安全性が高く世界初のSRSニーエアバッグと、ニープロテクタの採用や、衝突被害軽減ブレーキの標準採用が実施されています。こちらでは、UDトラックスのクオンについて詳しくご紹介します
UDトラックスの電子制御式ATミッションとは
UDトラックスのクオンは、もともとは日産ディーゼル工業(現在のUDトラックス)が生産販売していたビッグサムという大型トラックの後継車です。ビッグサムは梯子消防車や化学消防車、バキュームカーとしても活躍していたトラックで、クオンの製造が開始しても一時期は併売されていました。その後販売されたクオンは、電子制御式のオートマチックトランスミッション(ESCOT-VI)による操作となったため、優れた制動力で、雪道や泥濘地などの悪路環境でも脱出性が向上しています。10トンクラスの大型トラックが滑らかに動くという新しい運転性能で、実際に運転をした運送会社のドライバーも驚かれています。