ホンダ軽自動車スポーツカーの原点といわれるビート。維持費が安くコンパクトな移動手段として、実用性重視の軽自動車の概念を覆しました。運転そのものを楽しむために、コンパクトで本格的なミッドシップスポーツカーとして、ひとつのジャンルを作り上げた車といっても過言ではありません。ここでは、現在でも街中で見かけるビートの魅力や特徴を解説します。また、中古車としておすすめのビートのモデルや中古車相場価格、中古車を購入するにあたっての注意点なども見ていきましょう。
ビートの魅力と特徴
大型2ドアタイプのスポーツカーが人気の最盛期に生まれた「ビート」に、人気は集まったのでしょうか?ここでは、ビートの魅力といわれる形状や、機関面にスポットを当てて解説していきます。
開放感のあるオープンカー
ビートの魅力であるオープンにできる車体形状も、注目された理由のひとつです。軽自動車という狭い空間をオープンにすることで、圧迫を感じる屋根から開放されます。また、風やエンジン音を直接的に感じるドライブは、オープンカーに乗った人のみ感じられる醍醐味でしょう。
オープンカーには、ソフトトップと呼ばれる幌布を使用したタイプと、ハードトップといわれる金属や樹脂製の屋根を、取り外したり格納したりするタイプの2パターンが主な形状です。ビートにはソフトトップが採用され、リアウインドウの接続部分のファスナーを開き、前方に取り付けられた2カ所のフックを外すだけで、フルオープンになります。
慣れれば、約30秒程度で手軽にオープンにできることから、ドライブ中も気分次第で簡単にオープンカーとして、走行を楽しめます。
レスポンスを追求したエンジン
ビートのエンジンには、NA(自然吸気式)で、1本のカムシャフトで吸排気両方のバルブを、ロッカーアームを介して動かす「SOHCエンジン」が搭載されています。また、F1スポーツカーの技術を生かした「高回転NA技術」も採用されていますが、これらは、軽自動車では採用されることがなかったものです。
ビートの目指すところは、ボディの軽量化とパワーよりはむしろ、レスポンスの良さに重点が置かれています。ドライバーと車がひとつになって走行する、きびきびした操作性を実現させたMTREC(エンジン制御システム)も搭載されています。これにより、軽自動車ながらF1並の鋭いスロットルレスポンスが可能になりました。回転数8000回でも気持ちよく吹きあがるエンジンは、F1参戦したホンダならではの仕上がりといってよいでしょう。
ビートの中古車の価格相場
5年間の生産年数で、約33000台を発売したビートですが、発売開始から約30年近くたつ現在では、廃車される車も増え、中古車市場においてビートの販売台数は少なくなっています。ここでは、現在販売されているビートの価格相場を探ってみましょう。
ビートの中古車価格
ビートの発売当時の新車価格は、138万8,000円。販売開始から約30年経過していることを考えると、通常の中古車相場価格は50万円以下が主流になっています。ただし、中には車体・機関・距離などの面から見て状態がよい車両は、新車販売価格より大幅に値が上がり、プレミア感たっぷりの中古車を探せる場合もあります。
ビートのモデルは、初代PP1のみになります。販売年式は約8年間の差があるものの、すべて初代PP1モデルのビートになります。モデル数が多い車も数多く存在しますが、モデルによって値段が違ったり装備が異なったりします。このように理解しづらい車種選びが、1つのモデルのみのビートには必要ありません。
初代PP1型
発売開始当初から販売終了まで、すべてのビートがPP1モデルになります。ひとつのモデルのみなので、中古車相場も調べやすく、比較しやすいメリットがあります。
中古車価格帯 | 中古車相場 | |
ガリバー | 12~188万円 | 約49.8万円 |
グーネット | 23~188万円 | 約49.5万円 |
カーセンサー | 15~188万円 | 約58.4万円 |
おすすめの中古ビートのモデル
ビートのモデルはPP1のみですが、特別仕様車として数百台ずつのバージョン別に、限定発売されたスペシャルカーが存在します。バージョンの違いの一番のポイントは、ボディカラーの違いや多少の機能面の違いになります。それぞれのバージョン別に、おすすめの中古車を解説しましょう。
ビート オリジナルバージョン PP1-100
ビートのベースとなる「オリジナルバージョン PP1-100」は、カーニバルイエロー、フェスティバルレッド、クレタホワイト、ブルーシルバーの4種類のボディーカラーが揃っています。中でも、クレタホワイトの生産は、全体の約4%程度と少なく希少性のあるレアカラーです。
最高出力 | 駆動方式 | 全長 | 全幅 | 全高 | 乗車定員 | 燃費 | 排気量 |
64ps | MR | 3.295m | 1.395m | 1.175m | 2人 | 17.2km/L | 656cc |
ビート バージョンZ PP1-100
ビートの発売開始から3年後、1993年に特別仕様車として販売された「バージョンZ」は生産終了まで標準仕様車として販売されました。特徴的には、エバーグレイドグリーンメタリックとブルーシルバーメタリックの2種類のボディカラーと、ホワイト文字盤タコメーターから、ブラックの文字盤に変更された点がポイントです。
最高出力 | 駆動方式 | 全長 | 全幅 | 全高 | 乗車定員 | 燃費 | 排気量 |
64ps | MR | 3.295m | 1.395m | 1.175m | 2人 | 17.2km/L | 656cc |
ビート バージョンZ PP1-110
バージョンZを標準装備とした後期に発売された、「バージョンZ PP1-110」には、それまでに搭載されていなかったABSとLSDがオプション装備されました。ビートが販売終了間近という年代に発売されたこともあり、販売台数が極端に少なく、ビートの中でも激レア性の高いバージョンです。
最高出力 | 駆動方式 | 全長 | 全幅 | 全高 | 乗車定員 | 燃費 | 排気量 |
64ps | MR | 3.295m | 1.395m | 1.175m | 2人 | 17.2km/L | 656cc |
業者別のビートの中古車価格
インターネットで検索できる中古車販売業者別に、ビートの中古車相場価格を調べてみましょう。ビートのバージョン別・年式別・走行距離別など、さまざまな角度から分析し解説していきます。
バージョン別
バージョン別 | ガリバー | カーセンサー | グーネット |
ベースバージョン | 約74.8万円 | 約61.5万円 | 約62.7万円 |
バージョンC | – | 約61.4万円 | 約56.9万円 |
バージョンF | – | 約87.2万円 | 約48万円 |
バージョンZ | – | 約110.7万円 | 約83.1万円 |
ビートには、4つの異なるバージョンがあります。基本となるスペックに変わりはありませんが、ボディカラーなどにより、特別限定されたバージョンに分かれます。バージョン別に見たビートの中古車価格相場は、バージョンZ以外はそれほど価格差はありません。
年式別
年式 | ガリバー | カーセンサー | グーネット |
1991年 | 約74.8万円 | 約62.5万円 | 約61.4万円 |
1992年 | – | 約70万円 | 約73.8万円 |
1993年 | – | 約67.4万円 | 約53.2万円 |
1994年 | – | 約81.9万円 | 約84.5万円 |
1995年 | – | 約80.3万円 | 約71.6万円 |
ビートの生産年数は、1991年から1995年の5年間です。この5年間に生産された車の、年式別中古車販売相場価格は上記の通りです。やはり、ビート販売後期といわれる1994年や1995年頃になると、販売台数も少なくなり、価格相場も高めに設定されています。
走行距離別
走行距離 | ガリバー | カーセンサー | グーネット |
~5万km | – | 約103.3万円 | 約97.5万円 |
5万~10万km | 約74.8万円 | 約74.2万円 | 約67.6万円 |
10万km~ | – | 約46.7万円 | 約53.1万円 |
発売開始から約30年経過するビートの走行距離は、10万km超えている中古車も多く目立ちます。ただし、セカンドカー的にビートを購入し、あまり走行せずに中古車として流通されている車も存在します。5万km以下の“乗り時”といわれる極上車も、極わずかですが販売されており、価格は100万円前後です。
ビートを購入する際の注意点
ビートを購入しようと考えている方に向け、ビートを購入する際の注意事項を解説します。ビートは、販売から約30年経過している中古車なので、見た目の判断だけでなく、エンジン回りやシートなどを注意して確認する必要があります。
幌の確認が必要
ビートの個性であるオープンカーの屋根は、幌布製です。幌は経年の劣化によるひび割れや擦れにより、幌本体が薄くなり破れることがあります。破れていたり擦れて薄くなったりしている場合は、雨水が浸みることも考えられます。したがって、ビートの中古車選びの際には、幌の状態もよく確認することが肝心です。
ディストリビューターの固着に注意
ビートのエンジン系トラブルには、ディストロビューターの錆が原因で固着が起こり、タイミングベルトが破損してしまう現象が多くみられます。これは、ビートのディストロビューターに錆が出やすいことが原因ですが、メーカーでリコール対策されていません。そのため、ビートの中古車を購入する場合は、ディストロビューターやタイミングベルトが、走行距離5万km~6万kmで交換されているか、整備手帳の交換履歴や販売スタッフに問い合わせるなどして、確認することをおすすめします。
AT限定の免許では運転できない
ビートのトランスミッションは、MT(マニュアル)になります。したがって、現在の自動車免許取得者に多いAT(オートマ)限定では、ビートを運転できません。本来、MT車である車のトランスミッションを、AT化に改造することも可能ですが、かなりの出費となり、改造後に不具合が出る場合もあるので、それなりの覚悟が必要になります。
現在の車から買い替える場合には
自動車を購入する場合、現在所有する車を下取りなどで引き取ってもらい、新車や中古車などに買い替えるケースがほとんどでしょう。現在の車からビートに買い替える場合も、「下取り」に出して二束三文で引き取ってもらうのでなく、少しでもお得に買換えることをおすすめします。ここでは、お得に買い替えるためのポイントをご紹介しましょう。
売ったお金を元手にして購入できる
現在乗っている車から買い替える場合の多くは、ディーラーや中古車販売店などで、次に購入する車の下取りとして引き取ってもらうことが一般的と考えている方もいるでしょう。しかしこれでは、現在の車の本当の価値で取引されず、大損していることも考えられます。
現在の車の処分方法として、下取りで引き取ってもらうのではなく、買い取り業者を利用して、車の適正価格で買い取ってもらうことをおすすめします。適正価格で買い取ってもらい元手を増やすことで、次に購入するビートの購入資金の一部に充てることが可能です。
買取業者はカーネクストがおすすめ
下取りでなく買取してもらうためには、買い取り業者の利用がおすすめです。数多くある買い取り業者の中には、適正価格で買い取ってくれなかったり、買い取り金額が高額でも、書類作成や引取り運搬費用を高額に請求されたりなどして、結局はお金が手元に残らないケースも。そこで、おすすめの車の買い取り業者は、「カーネクスト」。カーネクストでは、査定資格を所持したプロが、車の適正買い取り価格で買い取ってくれます。また、車引取りのレッカー移動費用・書類代行・価格査定などがすべて無料なので、過大請求されることなく安心です。
参考:カーネクスト
中古ビートをお得に購入しよう
ビートの魅力を十分に把握できたら、優良な買い取り業者を利用して、少しでもお得にビートを購入しましょう。ビートの中古車価格相場をさまざまな角度から分析し、自分の希望に合うビートを探して購入を考えてください。程度のよい中古車のビートを購入して、オープンカーやエンジン音、人馬一体となる運転操作の楽しさを味わいましょう。