三菱初の5ナンバー・フルサイズセダンであるデボネアは、トヨタのクラウンや日産のセドリックなどの高級セダンをコンセプトとして開発され、1964年にデビューしました。既存の国産車とは一線を画した1960年代のアメリカ車のようなボンネットと、テールエンドにエッジが効いたエクステリアデザイン、大きな開口部を持つフロントグリルが特徴的でした。
また、2リッター直列6気筒OHVエンジンによって、当時としては高い静粛性を実現しており、三菱を代表する高級サルーンにふさわしい高級感と滑らかな加速を誇っていました。
しかし、ライバル車であったクラウンやセドリック、グロリアに比べて車両価格が高額なこともあり、販売は低迷しました。その後、排出ガス規制に対応するために2.6リッター直列4気筒エンジンへとスイッチしますが、大幅なアップデートが行われないまま1999年に生産が終了しました。
新車で販売されていた当時は三菱グループの重役専用車として使用されており、一般ユーザーからの人気を得ることはできませんでしたが、生産が終了した現在は、もう見ることのできない三角窓とL字型テールランプを装備する貴重な車であるため、デボネアは高値で取引されています。