今まで、世界中の多くの自動車メーカーは、あらゆるシーンに活用できるSUVを発売してきました。なかでも三菱のアウトランダーは、SUVとしては現代の社会状況に合わせた、画期的な機能を次々と採用し、ファンを増やしてきました。
ここでは、三菱がアウトランダーにどのような機能を採用し、幅広い層に受け入れられるように開発して、魅力ある車に仕上げていったのかなど、さまざまな視点から考察していきます。さらに、次はアウトランダーをと考えている人たちのために、アウトランダーのモデルや価格、相場を詳しく紹介します。
アウトランダーの魅力と特徴
三菱が2005年に、初代のアウトランダーを発売してから14年経ち、今ではSUVとして根強い人気を誇っています。このアウトランダーの魅力は、どういったところなのでしょうか。
アウトランダーの魅力は、まずなんといっても次の2点が挙げられるでしょう。
やわらかいフォルムと色合い
一見すると、営業車然とした典型的なバン型をしていますが、全体のラインが曲線をなしているため、普通のバンよりも柔らかい印象を与えています。また、色合いも派手さを抑え、あらゆる世代に似合う色合いになっています。バンの持つ堅苦しいイメージを柔らかいイメージに変え、家庭向けとして使用しても、違和感のない印象にしています。
幅広い世代に優しい機能
外観だけではなく、走行中の信頼性の高い走りは、従来のバンの持つ大きな特徴です。街中だけでなく、郊外などあらゆる道路状況でも楽に運転ができ、仕事でもプライベートでもこれ1台で通用します。また、「サポカーSワイド」対象車に認定された車です。「サポカーSワイド」とは、高齢者ドライバーを含む、すべてのドライバーの自動車事故を防止するための機能を装備した、安全性の高い車であると国が認定した制度です。「サポカーSワイド」認定の対象となった主な機能は、次のようなものです。
・衝突被害軽減ブレーキシステム(FCM) ・誤発進抑制機能 ・車線逸脱警報システム(LDW) ・オートマチックハイビーム(AHB) ・後側方車両検知警報システム(BSW/LCA、20G・20G Plus Package・24G・24G Plus Packageのみ) ・後退時車両検知警報システム(RCTA、20G・20G Plus Package・24G・24G Plus Packageのみ) ・マルチアラウンドモニター(20G・20G Plus Package・24G・24G Plus Packageのみ) ・7つのSRSエアバッグ ・ヒルスタートアシスト ・衝突安全強化ボディ RISE など |
とりわけアウトランダーが優れているのは、エンジン面での機能だけではなく、内装にも事故の際の衝撃を和らげる素材を用いて、乗る人の安全にも細心の注意を払っている点です。
アウトランダーはこのような人に向いている
本来持ち合わせている、安定性のある走行性能の高さの面では、仕事やアウトドアなどであらゆる所に出かける機会の多い人に最適です。また、車体の柔らかい印象を受けるフォルムからは、街中でも違和感はないでしょう。車体の大きさの割には、ハンドルなどが軽く操作できるため、高齢者や女性なども、気軽に運転できる車といえます。
アウトランダーのおすすめモデル
アウトランダーは2005年以降、何度かのマイナーチェンジや機能改良などを行ってきました。いずれのアウトランダーも、とても魅力のある車です。ここで、アウトランダーのモデル別にスペックを解説しながら、おすすめのモデルを紹介します。
アウトランダー2005年モデルのスペック
2005年に最初のアウトランダーが誕生しました。初代アウトライダーである2005年モデルは、それまでバンタイプの主流だった、エアトレックからの後継車種として発売されました。このモデルチェンジで、従来の営業車風のバン車両から、乗る人のことに重点を置いた造りに代えています。スペックは以下のとおりです。
装備 | M・G |
価格 | 235.2万円 |
燃費 | 11.8km/L |
駆動方式 | 4WD |
ギア | 6速シフト |
定員数 | 5名 |
そのほかにも、ただの移動手段ではなく、車内での快適な環境を整える機能も数多く装備されました。通常は5名分のシートに2名分の座席を加えられる「床下収納式サードシート」や、「上下開閉式テールゲート」「ロックフォードフォズゲート」「プレミアムサウンドシステム」などです。
アウトランダー2012年モデルのスペック
初めてのフルモデルチェンジを行い、2005年モデルをさらにグレードアップさせました。また、エコカー制度の施行に合わせて、燃費を高め排気量をセーブするなどエコ化に努め、エコカー対象車に認定されました(エコカー減税50%対象)。また、機能面だけでなく内装の質も高め、よりハイグレード感を出しています。
20M
価格の割に標準装備が充実しており、コスパが高いモデルです。街中の移動だけではなく、ちょっと遠出するにも快適に過ごせるつくりになっています。
装備 | 20M |
価格 | 266.9万円 |
燃費 | 16.0km/L |
駆動方式 | 2WD |
定員数 | 7名 |
20G
車体の長さがコンパクトなので、駐車の際や曲がり角の運転などがとてもスムーズに行えます。使い勝手がいいので、買い物や家族の送り迎えなどにも手軽に使えるようになりました。
装備 | 20G |
価格 | 2,805,300円 |
燃費 | 16.0km/L |
駆動方式 | 2WD |
定員数 | 7名 |
20G Plus Package
20Gの標準装備にナビゲーションシステムが加わったモデルです。価格も20Gにナビの価格が上乗せされています。
装備 | 20G Plus Package |
価格 | 3,083,940円 |
燃費 | 16.0km/L |
駆動方式 | 2WD |
定員数 | 7名 |
24M
4WDのため2WDの20Mよりも走行時の安定感に優れており、どんな道路状況でもしっかりと地面を捉えている感覚があり、さらに揺れも少なくハンドル操作が楽に行えます。
装備 | 24M |
価格 | 2,940,840円 |
燃費 | 14.6km/L |
駆動方式 | 4WD |
定員数 | 7名 |
24G
24Mのさまざまな機能をさらにグレードアップしたモデルで、あらゆる道路状況にも対応できるレベルは24M以上です。また、車体もよりコンパクトになったため運転しやすく、雪道などでも楽にハンドル操作ができます。
装備 | 24G |
価格 | 3,077,460円 |
燃費 | 14.6km/L |
駆動方式 | 4WD |
定員数 | 7名 |
24G Plus Package
標準的な装備は24Gとほぼ同じで、ナビシステムが装備されているタイプです。
装備 | 24G Plus Package |
価格 | 3,356,100円 |
燃費 | 14.6km/L |
駆動方式 | 4WD |
定員数 | 7名 |
2013年以降のモデルチェンジ
さらに2013年に、SUV車としては世界初のハイブリッドを採用した「PHEVモデル」を発売しました。今までのSUVは燃費が悪く、全自動車メーカーにとって、長年にわたる大きな課題となっていました。そのため、当時三菱がSUV車にハイブリッドを採用したことが、自動車業界全体の話題を集めました。
長年の課題であった燃費の面でも、前モデルの16.0km/Lから20.2km/L(G タイプ)と大幅にレベルアップ。さらにハイブリッドモードの場合は、フル充電で60.8km走行可能になりました。よって、ガソリン車としてではなく、フルハイブリッド車としても十分に通用するまでになりました。ちなみに、2013年モデルのインテリアなどを若干変更し、2018年8月から発売しています。
装備 | PHEVモデル |
価格 | 3,939,840円~ |
燃費 | 15.4~20.2km/L(モードによる) |
駆動方式 | 4WD/ハイブリッド |
定員数 | 5名 |
アウトランダーのおすすめモデル2選
20系および24系とも、Plus Packageタイプにはナビシステムが装備された分、その分価格も高くなっています。今は、カー用品店などで、低価格かつ自分の好きなカーナビが自由に手に入るようになったため、あえてナビ付のモデルを買う必要もなくなりました。そのため、ナビシステムが装備されていない、次の2タイプに人気が集まっているようです。
20G
2WDのため、急な坂道や悪路、雪道などでは扱いづらいかもしれません。どちらかといえば、街中など平坦な地域や道路環境のいい所で安定性の高い走りが味わえます。また車内の座席スペースや後部の荷物スペースもゆったりと広く取っているため、さまざまな用途に使えます。
24G
4WDですので、山道や冬の雪道などにより効果を実感できます。比較的坂道が多い地域や雪が多い地域などで使い勝手がいい車と言っていいでしょう。
アウトランダー中古車価格の相場
アウトドアだけではなく、今では街中や普段の生活でも使えるようになったアウトランダーですが、中古価格はどうでしょうか。また、お手頃価格のアウトランダーは、どういったものがあるでしょうか。
モデル別の平均的な相場
アウトランダーの2018年12月時点の中古相場を、モデル別にまとめてみました。ただし、この価格は、年式や走行距離など条件が違うため、参考にしてみましょう。年式や走行距離などの違いで、中古価格にも大きな差があります。また、20Gおよび24Gの価格に幅があるのは、これらにはカーナビが標準装備されている「20G Plus Package」と、「24G Plus Package」もあり、それぞれのモデルも含まれているためです。
実際、新車の価格もナビ付がついていないタイプには、10万円以上の差があります。また、2013年から発売されてからわずか5年ほどですが、ハイブリッドタイプの「PHEVモデル」が、すでに中古車市場に出ています。
今後の環境問題などから考えると、車の主流はハイブリッドになることが予想されます。よって、できるだけ長く乗り続けるのであれば、選択肢に入れてもよいかもしれません。さらに、2019年中にモデルチェンジが予定されているということなため、今後ますます中古車市場に増えると考えられます。
20M
中古車価格帯 | 中古車相場価格 | |
ガリバー | – | – |
グーネット | 78.8万~120万円 | 75.2万円 |
カーセンサー | – | – |
20G
中古車価格帯 | 中古車相場価格 | |
ガリバー | 139.8万円 | 139.8万円 |
グーネット | 30万~120万円 | 105.7万円 |
カーセンサー | 128万~28.5万円 | 195.5万円 |
24M
中古車価格帯 | 中古車相場価格 | |
ガリバー | 144.1万円 | 144.1万円 |
グーネット | 31.8万~58.8万円 | 45.3万円 |
カーセンサー | 31.8万~79万円 | 72.1万円 |
24G
中古車価格帯 | 中古車相場価格 | |
ガリバー | 54.8万~154.8万円 | 118.5万円 |
グーネット | 30万~189.8万円 | 123.2万円 |
カーセンサー | 25.8万~289.8万円 | 133.2万円 |
PHEVモデル
中古車価格帯 | 中古車相場価格 | |
ガリバー | 176.6万~339.8万円 | 235.9万円 |
グーネット | 119万~469万円 | 210.6万円 |
カーセンサー | 119万~469万円 | 296.2万円 |
業者別のアウトランダーの中古車価格
ここで、ガリバー、カーセンサー、Goo net 3社の販売価格を、タイプ別、年式別、走行距離別に紹介します。
タイプ別
モデル別の価格を紹介します。ここでは、現在最も多く販売されている2012年モデルから、次の2モデルの価格を挙げてみました。
グレード | ガリバー | カーセンサー | グーネット |
20G | 139.8万円 | 128万~280.5万円 | 30万~256万円 |
24G | 54.8万~154.8万円 | 25.8万~289.8万円 | 30万~289.8万円 |
2WDの20Gより4WDの24Gのほうが、比較的価格が低いようです。この表からは、走行距離は分かりませんが、おそらく24Gのほうの走行距離数が多いため、この価格になったのではないかと思われます。ということは、20Gは走行距離が少ない時点で売却、もしくは買い替えているとも考えられます。主として、街中で使用するなら20Gのほうが、新品に近い状態のものが手に入るのでおススメです。
年式別
次に、年式別の価格を紹介します。なお、ここでは情報が最も多い24Gの情報を挙げます。
年式 | ガリバー | グーネット | カーセンサー |
2018~2011 | 154.8万円 | 59.8万~289.5万円 | 59.9万円~289.8万円 |
2010~2006 | 54.8万~129.8万円 | 30万~155万円 | 59.9万~122万円 |
上の表で、横ラインの部分は該当する在庫がありません。つまり、逆に複数挙げられている年式のものは、それだけ多く中古として出回っていることになります。このように見ると、2010年を境に値が下がっています。車のタイプにもよりますが、アウトランダーの場合は外見にはさほど違いはなく、機能の状態によりタイプも分かれています。よって、自分にはどのような機能が必要なのかを念頭に、選ぶのがよいのではないでしょうか。
走行距離別
走行距離別の価格を紹介します。なお、ここでも比較的販売数の多い24Gモデルの価格を紹介します。なお、年式の違いもありますので、正確な比較にはなりません。あくまでも参考資料としてください。
走行距離(km) | ガリバー | グーネット | カーセンサー |
~10.000 | 284.7万円 | 152万~270万円 | 249.8万~270万円 |
10.001~50.000 | 154.8万円 | 59.9万~289.8万円 | 59.9万~289.8万円 |
50.001~100.000 | – | 49.9万~210万円 | 75.8万~228万円 |
100,001~ | 54.8万円 | 30万~76.5万円 | – |
ここでは、24Gの価格を挙げていますが、走行距離から見ると、年式により差が大きく見られます。2010年を境に、大きく値が変わっていることが分かります。
現在の車から買い替える方法
初代のアウトランダーは、発売されてから14年たち、チェンジごとに魅力的な車になりました。他社の同型の車に比べると、歴史はかなり浅いながらも多くのファンがいます。このような人気の車を、お得に手に入れるためにはどうしたらよいのでしょうか。
アウトランダーに買い替えるためには
アウトランダーはまだ新しい車なので、中古でも新車でも、それほどの時代の差は感じられません。「アウトランダー」という車を手に入れるのであれば、中古でもかなり状態のよい、好条件の中古車が多数売られています。他社の車に比べて、大きなモデルチェンジはされていないので、選ぶ際には機能の状況や使い勝手のよさなどで、選ぶとよいでしょう。
とはいえ、アウトランダーは国産車の中でも、比較的高額で車体自体が大きいタイプです。そのため、一般家庭では車を置くスペースからいっても、アウトランダーのほかに、今までの車も所有することは難しいでしょう。そこで、今持っている車を、できるだけ高値で下取りしてもらい、その代金でアウトランダーの中古を購入するのが、一番賢明な方法ではないでしょうか。
高値で売ってお得に買える「カーネクスト」
今は、できるだけ多くの業者に所有している車の見積もりを依頼し、比較検討することが大事です。できるだけ手間を省いて多くの情報を収集するには、ネットを活用するのが一番です。
「カーネクスト」は、全国1,000社以上の自動車関連会社と提携しているため、無料で一度に多くの会社の情報を得られます。
参考:カーネクスト
アウトランダーは2019年のフルモデルチェンジ後が買い時
2019年にアウトランダーが、フルモデルチェンジをするという噂があります。どの程度のモデルチェンジなのかはわかりませんが、今年発売予定のアウトランダーを購入するために、今まで所有していたアウトランダーを、売りに出す人が増えると踏んでいます。そのため、中古市場にアウトランダーが増え、結果、条件のよいアウトランダーが、手に入る可能性も増えることになります。今すぐに買い替えるのではなく、今は相場を調べる時期にして、新アウトランダーが発売されてから、よりコスパの高い車を選ぶとよいでしょう。