トヨタセルシオは、トヨタ自動車が生産していた最高級セダンで、北米市場では「レクサス」のブランドで販売されました。その後トヨタは、北米市場でレクサスLSとして市販されていた車両を国内市場にも投入。それこそがセルシオです。
おりしも時節はバブル期真っ只中。好景気にも支えられ、大ヒットとなりました。バブル崩壊後の不況下でも「世界基準の高級車」という評価は変わらず、4ドアセダンの販売が少なくなる中、セルシオは生き残ってモデルチェンジを重ねました。
そして、2006年9月にモデルチェンジした4代目のモデルが「レクサスLS」となったことにより、3代目セルシオが最後のモデルになりました。それ以降は、中古車市場でのみ手に入る車両となりましたが、今も若者たちを中心に高く評価されています。
セルシオの魅力と特徴
すでに販売が終了してしまっているセルシオですが、まだまだ購入を希望する車好きの人たちから根強い人気があります。
トヨタのセダンでもダントツの人気
トヨタ車は中古車市場においても高い人気を誇りますが、その中でもセルシオは特に注目度が高く、他メーカーの高級セダンと比べても、取引価格に大きな差が現れる車種です。
そういった人気を反映して、2006年9月にはセルシオ(3代目)の後継車種にあたる新型LSが発売されました。これは、セルシオの名前こそ使われなくはなりましたが、実質的にセルシオの4代目にあたります。取扱店もレクサス店に完全に移行されました。
高級感と静粛性、走行安定性
多くの人を魅了するその特徴は、全長が5mを超える大型高級セダンの車体。内装デザインは、高級ホテルの客室をイメージし、シートもブリティッシュ・エアウェイズと日本航空のファーストクラス用シートを参考に作られました。
外の世界と隔離されたような静粛性と、多少路面状態が悪くてもほとんどその影響を受けない室内の乗り心地。そして高級感あふれる内外装。まさに、ラテン語で「至上、最高」を意味するセルシオの名が示すとおり、国産車セダンの最高峰に位置する名車といえるでしょう。
セルシオのおすすめモデル
2018年1月時点では、主要な中古車検索サイトを見ただけでも、市場にはおよそ800台ほど流通していることがわかります。状態が良くて人気もあるためネット上には掲載されない「非公開車両」も含めると、実際に中古車市場に出回っている車両はそれ以上となるでしょう。
これらは、モデルによって価格帯が大きく異なります。あなたの好みや予算の兼ね合いもありますが、まずは中古車市場におけるおすすめモデルについて詳しく見ていきましょう。
一番人気は最終モデルFX30型
中古モデルを購入するなら、やはり最終モデルFX30型がおすすめです。過去のラインナップとは大きく異なるデザインと、グレードアップされたエンジンでありながら燃費性能がはるかに改善されており、その安全性とゆったりとした室内は、現在でも多くの若者たちを中心に支持を集めています。
生産終了からすでに11年が経過していますが、走行距離が少なく状態が良ければ、車両本体価格が300万円を超える場合もあります。サンルーフ装備車やエアロカスタマイズが行われている場合は高値が付く傾向にあり、ウッドハンドル、本革シートなどのオプション装備付きではさらに人気が高くなります。
ボディカラーによっても価格は左右され、黒や白、パールは全般的に高く、シルバーや茶系などの場合は安い傾向があります。また、大型の車体にふさわしい排気量を誇るこのグレードは、相当の維持費を覚悟しなくてはなりません。トータルでのランニングコストも十分考慮したうえで購入するようにしましょう。
最終モデルということもあって、中古車市場に出回っている車両の状態は概ね良好で、内装の劣化などはほとんどありません。しかし、時々ドアミラーが動作しなかったり、エレクトロマルチビジョンのタッチパネルが動作しないことがあります。実車確認の際は注意しましょう。
十分な走行性能に見合う価格の2003年式FX30型eRバージョン
2003年式FX30型eRバージョンなら、200万円以下で希望の中古車を見つけられる確率が高くなります。eRバージョンはA、B各仕様にヨーロッパチューニングの足まわりを装着しており、繊細かつスポーティーな走りであなたを満足させることでしょう。
なお、エンジンは全車統一で、VVT-i付きの4.3L V8・DOHC。サスペンションは4輪ダブルウイッシュボーンが装備されています。
このモデルでは、十分な安定感とアクティブな走行性能がある一方で、エンジンや駆動系のトラブルも見られます。そのほか、エンジンマウントゴムの劣化が車体の振動に影響することもありますので、十分確認するようにしましょう。
コスト重視なら1998年FX20型Cタイプ
コスト重視、特に100万円以下で探すなら、2代目FX20型Cタイプがおすすめです。手頃な価格でありながら、安全装備や安定感は他のモデルにひけをとりません。
また、このモデルの特徴は、安全装備の充実です。6つのエアバック、横滑り防止装置、ブレーキアシストのほか、クルーズコントロールがオプション設定されています。また、盗難対策としてエンジンイモビライザーが標準装備されています。
C仕様はエアサスペンションが装備されています。シート自体の座り心地が良いうえに、エアサスペンションによる衝撃吸収で、長距離走行も快適です。一方で、非常に繊細な機能ですので、実車確認の際には必ず動作を確認するようにしましょう。
希少価値の初代モデル
1898年にデビューしたXF10型の初代モデルは、現在ほとんど国内では見られなくなりました。走行距離が少なく、事故歴が無い場合は車両本体価格が100万円を超えるものもあります。すでに国内中古車市場から姿を消しつつある希少価値の高いモデルであり、特にパーツの供給資源としても高い価値が出ています。
サンルーフ装備車両、エアロカスタマイズ車両などを中心に高価格を維持しており、当時人気であったパールツートンで本革仕様などになると、さらに高値で取引されます。
セルシオの中古車価格の相場
高級車という位置づけもあって、一部のハイクラス層にしか手が届かなかったセルシオも、中古市場では価格がぐっと下がっています。若い男性を中心に、いろいろなパーツを使ってカスタマイズするケースも多く見られ、中古車ならではの楽しみ方といえるでしょう。
セルシオの中古車価格
中古車価格帯 | 中古車相場価格 | |
ガリバー | 39~582万円 | 211万円 |
カーセンサー | 7~249万円 | 58.2万円 |
グーネット | 7~410万円 | 72.1万円 |
2005年からは、日本国内でも「レクサス」ブランドの展開が始まりました。これにともない、セルシオは3代目のフルモデルチェンジを最後に、2006年で販売終了となり、レクサスLSへと変化しました。
販売開始からの17年間、国内でトップセダンとして君臨し、富裕層や法人オーナーを中心に高い人気を誇っていたことからも、中古市場ではその人気がいまだに衰えていません。そのため、販売終了から11年が経過した現在でも高額で取引されているのです。
中古車市場の在庫は2001年式~2004年式に集中
中古車市場に出回っている車両のほとんどが、2001年式~2004年式です。価格帯は、概ね20万円~80万円。年式による差はほとんど見られませんが、新しいほど高値で取引されている傾向がうかがえます。
業者別のセルシオの中古車価格
根強い人気を反映して、各中古車業者が価格競争にしのぎを削っています。ここからは、年式やグレード別に車両の価格を見ていきましょう。
全車で見る価格帯
新車では600万円以上の車両価格が通常でしたが、生産終了時から時間が経過し、価格もだいぶ落ち着いてきました。ガリバー、カーセンサー、グーネットの3社での平均価格は下表のとおりです。
タイプ別
ガリバー | カーセンサー | グーネット | |
A仕様 | 54万円~ | 35万円~577万円 | 35万円~480万円 |
B仕様 | 39.8万円~ | 10万円~129.8万円 | 10万円~135.1万円 |
eR仕様 | 39万円~119万円 | 9.8万円~298万円 | 13万円~318万円 |
C仕様 | 44.8万円~582万円 | 8万円~298万円 | 8万円~358万円 |
ベーシックなA仕様と、フル装備のC仕様では、出回っている車両の台数も多く、その価格帯も幅広い分布が見られます。
年式
ガリバー | カーセンサー | グーネット | |
2004年~2006年 | 5万円~ 318.8万円 | 15万円~298万円 | 15万円~358万円 |
2001年~2003年 | 5万円~480万円 | 15万円~298万円 | 8万円~260万円 |
~2000年 | 5万円~480万円 | 15万円~298万円 | 10万円~480万円 |
年式で見ると、2001年~2003年がねらい目であることがわかります。2003年8月のマイナーチェンジ期にもあたり、ヘッドライトやボンネット、フェンダー、トランクリッドなどが新デザインとなったことが理由のひとつでしょう。
走行距離
ガリバー | カーセンサー | グーネット | |
~5万キロ | 125万円~582万円 | 15万円~577万円 | 15万円~480万円 |
5万キロ~ | 39万円~119万円 | 15万円~577万円 | 8万円~480万円 |
各社、5万キロを境に中古車価格が下がり始めます。装備されているオプションや車両のメンテナンス状況によって価格は変わりますが、市場に出回っている車両も走行距離5万キロ超のものが多数を占めます。
買い替えの際に気を付けたいポイント
昨今では、インターネットを利用した中古車の一括査定サイトをよく見かけるようになりました。車種、年式、走行距離などの簡単な項目を入力するだけで、たちどころに数社から連絡が入ります。じっくり交渉すれば、あなたの大切な車を高値で買い取ってくれる業者がきっと見つかることでしょう。
中古車ディーラーと賢く付き合う
中古車ディーラーは、年式と走行距離から中古車市場価格を調べ、買取価格の概算を提示してきます。その際、オークションで取り扱われている同型、同年式の車種の取引価格が参考にされることが多く、各社ともその金額を中心に買取価格の目安を示します。
当然ながら、中古車ディーラーは安く買い取って、高く他のオーナーに販売できれば利ザヤが大きくなるので、最初は安い買取価格を提示してきます。あなたがいかに大切にしてきた愛車であっても、そこにはどうしても利益を優先する企業の事情が影響してしまうでしょう。
しかし、中には独自の販売網や、特定メーカー、車種に対して競争力がある中古車ディーラーがいるものです。1社や2社の見積もりを見ただけで、「だいたいこんなもの」と決め込んでしまうのではなく、粘り強く複数社の見積もりを取るようにしましょう。そのうち予想外の高値をつけるディーラーが現れます。
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参考:カーネクスト
中古でセルシオを購入する際の注意点
高級車の中でも、とりわけカスタマイズを好むユーザーに愛されている車両ですが、仕様やグレードによって走り方や扱われ方が異なることもあります。外装は、小さな損傷よりも大きな修理履歴を中心にチェックしましょう。
車両全般
まずは、外板パネルの立て付けや塗装の状態などをチェックすることから始めます。例えば、左右のヘッドライトの片方だけが新しい場合は、交換している疑いがあるので要チェック。単なるライト破損か、周辺のボディも含めての修理によるものなのか確認しましょう。
車体の表面
外装の傷や凹みなどを確認する際は、角度を変えながら。斜め方向から見ると、波打って見える板金修理跡が見つけやすくなるので、おすすめの方法です。また、部分的に光沢や色調が違っていたり、ザラザラした箇所は、板金修理の疑いもあります。
整備状態
定期点検整備記録を確認するのは、基本中の基本です。消耗品を中心に、エンジンまわりをチェックしましょう。オイルのにじみや汚れにも注意が必要です。冷却水やオイルの量と汚れ、ブレーキやウォシャーの液量なども要チェックです。
ボンネットのチェック
ボンネットで意外と見落としがちなのが、裏面に残る修理跡です。特に、鉄板の接合部はダメージの残りやすい場所。ヒンジ部の固定ネジを脱着した形跡がないかも確認しましょう。ボンネットを修理したり交換したりしていると、大きな事故があった可能性も否定できません。
車体前部
車体の左右につながっているラジエターサポートは、車体前部への衝撃で破損しやすいので、修理や交換の形跡をチェックしましょう。また、フロントフェンダーの立て付けが悪い場合、修理や交換の疑いがあります。修理しても修理履歴に残らない箇所なので、特に注意が必要です。
車体側面
ドア部分の修理や交換は、ヒンジのネジを脱着している形跡がないか確認しましょう。ピラー(柱)やサイドシル(ドア下の梁)など、周辺の状態も判断材料になります。後部ドアを開けることで、リアフェンダー周辺の補修状況もチェックできます。
車体後部
バンパー、トランクリッド(トランクの蓋)、コンビネーションランプ(テールライト)のバランスをチェックします。トランクリッドの状態で、車体の歪みが無いことを確認しますが、開閉してスムーズに閉まらない場合は、リッドのずれか車体の歪みが疑われます。
床下
床下も見逃しがちなポイントです。フレーム(骨格部)やメンバー(補強部)などの鉄板部をチェックします。特に側面は、サイドシル(サイドガーニッシュで覆われた内側にあるドア下の車体前後方向に通っている梁)の下部に損傷や歪み、修理跡などがないか確かめておきましょう。
エンジン
始動時の状態やアイドリングなどをチェックします。エンジンが暖まってからアクセルペダルを軽く踏み込んで、スムーズに回転数が上下するかどうかも試してみると良いでしょう。不安定なアイドリングやエンジン回転中の振動や異音の発生などがあれば、何らかのトラブルを抱えている兆候です。
オートマチック装置
シフトレバーを操作して、各ポジションへの切り替え時に大きなショックがないか試します。試走ができればベストで、ギヤが切り替わる時のショック、繋がるタイミングでの異音など、走行中に不具合の兆候が出ていないかも確かめたいところです。
装備機器の機能
電装機器や電動機構などが正常に機能していることを確かめます。ウインカー、ヘッドライト、ブレーキランプ、テールランプ、ハザードなど、保安機器類の作動はもちろん、警告モニターの表示にも注意しましょう。エアコンの効き、オーディオやカーナビなども実際に操作して確認します。
パワーウインドウの開閉や室内ランプの点灯なども忘れずにチェック。高級車だけに、多数の装備品があります。後部座席アームレストにある操作スイッチ類なども見落とさないようにチェックしましょう。細かな点も、後で気づくとがっかりするものです。
インテリア
シートや内装材に汚れや傷、穴、破損などがないかよく確認しましょう。フロアカーペットの状態にも注意して、運転席の周辺だけでなく、後部座席まで念入りにチェックします。また、タバコの臭いなどは、ドアを開けた瞬間でわかります。
備え付けの書類をチェック
車検証で初度登録年月日と型式、保証書で保証期間と保証内容を確認しましょう。他に取扱説明書をはじめとする、各種説明書などが揃っていることも確かめます。また、車両をチェックする時には、定期点検整備記録が特に重要です。点検実施時期と、その時の走行距離を把握しておけば、各部の状態を確認する際の参考になるでしょう。
セルシオは中古でお得に購入
中古車市場でしか手に入らなくなった今だからこそ、その人気ぶりがうかがえるセルシオ。掘り出し物の中古車を見つけて車体価格を抑え、その分をカスタマイズに充てるというのが、若者の間のトレンドです。
中古車市場に出回る車両は、価格もグレードも様々です。まずはネットで検索して相場を確認することから始めましょう。カスタムパーツもまだまだたくさん流通しています。世界に一台しかない、あなただけのセルシオを手に入れましょう。